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hanihostamp penguinblog

のほほん、ペンギンライフ。

病院探し。(2)

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先日買った帆布製トート。

軽くて重いものも運べて快適だけど、たすき掛けにして使うと、まだ身体に馴染んでいなくて少々ごわつく。でも、軽さと地味なルックスがよい。早く、くたっと「こなれる」のを待つばかりです。

直に見て選ぶことが大事で、何度か使ってみてはじめて、良い(自分に合う)かどうかが分かる、というのは病院についても言えるのかもしれません。

 

前回のつづき。

地元の総合病院のリウマチ科でも整形外科でも治療法はない、でも日常に支障をきたすほどの、両手親指から腕にかけてと手の甲の痛み。

どうにか対処してくれる病院は他にないものか、とネットで検索して、3〜4軒、タイプの違う医院を見つけました。

そのなかで、「症状や痛みがひどくなってからでは治りにくいので、早めにご相談下さい」という一文が載っているところは望み薄(もう痛みがひどいため)なので避けて、一方、似た症例を挙げて、治療法とその後の経過などを具体的に載せている医院にしぼったところ、2つ隣の県にある整体治療院と、隣の県の鍼灸治療院のふたつが残りました。

 

より遠方の整体院の方に惹かれたのは、院長先生の顔写真が載っていてイメージしやすいこと、電話すれば院長先生が直接相談にのってくれること、そして、よく似た症状の患者さんによるコメントでした。

「通院後2〜3日は楽な日が続き、またしばらくすると痛むという繰り返しでしたが、自分でも出来るリハビリを毎日していたおかげもあって、出来る動作が増えて来ました」

「自分でも出来るリハビリ」を教えてもらえるというのは、希望の光かもな、と。

通えないとしても、一度先生に診てもらって、改善するにはどうしたらよいかヒントだけでももらえたら、それだけでも儲けものではないか、と…

すぐに往復の所要時間と費用を路線案内で調べ、普通列車なら4時間(片道2時間)、特急利用で3時間(片道1時間半)、往復で4,000円弱〜7,000円強と判明。当人に「そこまでの距離を通う気力体力はあるか」とたずねると「一度行ってみたい」との返事。

で、いざ整体治療院に電話。

サイトに書いてあったとおり、直接受話器をとられた院長先生に症状を一通り伝えると、「それは、大変おつらいでしょうね…なんとか改善できたらいいですね」とのあたたかな声が…。

しばらく話をして、さらに期待が高まりいよいよ予約を取ろうとしたら、先生は「ただ…お住まいは遠いですね。一回で治ることはまずないので、通うとなると厳しいのでは。…お近くにないでしょうか?」と遠慮がちに。

「ネットで探してみただけなので…うまく見つけられなくて。先生、どこかご存知ないですか」

「いや…そちらの地域のことは分からないんです。ただ、ここ(の県)よりずっと都会だから、そちらのお近くにたくさんありそうですけどね…あるいは、お隣(の県)とか」と先生。

その助言をきっかけに、「隣の県の医院なら…そういえば一軒チェックしてたなぁ」と思い出し、ブックマークしていたもう一軒のサイトをもう一度見てみることに。

もうひとつの候補は、整体ではなく鍼灸院でした。

あらためて症例や施術例、先生の治療に対する姿勢などを読み進むうち、「わたしはなぜ、この鍼灸院を2番手にしまったのだろう…あの整体治療院と遜色ない内容なのに…」と自分で自分の判断に首を傾げたのですが、ここより遠方の整体院へ患者をなかば強引に連れてゆこうとしたのは、はっきりいって、遠方の海辺の町には温泉があり新鮮な海の幸ランチがあるだろうという、付き添いの自分にとっての手前勝手なオプションがあるせいなのでした。病人につき合うのは、時間的にも金銭的にも先が見えない道なので…自分にもおまけが欲しくなって、つい…

 

そんなわけで、遠方の先生のご助言でハタと我に返り、あらためて隣の県の医院について調べてみると、所要時間が30分ほど短縮出来ること、また整体院の半額程の交通費で行けて、施術料も半額近くになり、保険適用が出来る場合はさらに費用を抑えられると判明。また予約不要で、電話で相談してみると「分かりました。ではいつでもいいので一度お越し下さい」とのお返事でした。

先に問い合わせた整体の先生にキャンセルの電話を入れて、翌朝隣の県へ向かったのでした。

 

はじめて訪れるその地域は、運動競技場が近くにある関係からか鍼灸院が非常に多く、ネットで探すのに苦労した自分は何だったんだろうかと、恥ずかしくなる程の充実ぶりでした。

7〜8軒、別の鍼灸院を通り過ぎて、目当ての看板を発見。こじんまりした間口のその医院は、中へ入るともぐさの煙くて香ばしいような匂いがどこか懐かしく、銭湯の番台風受付台の向こうで「ああ、昨日の電話の方ですね」と立ち上がる院長先生のお顔を見て、「ああ、ここ正解!」と直感。

南方熊楠がヒゲを生やしたような…親しみやすいようでいて地に足がついた、存在感があるお姿に安堵してしまって。

 

鍼灸治療は痛む箇所、悪い箇所だけではなく、全身に施術するんですね。

だからひとりひとり、オーダーメイド。

わたしの身内患者はベッドに横たわると既往歴から現在の身体の不調をくまなく伝え、その都度先生や助手の方は「それは大変でしたね。つらかったでしょう」とねぎらって下さり、「それは何々が原因ですね」とか「ここの内蔵が弱っているからですね」などと答えてくださる。手の痛みだけでなく、あれもこれも、この際気になることは何でも、という勢いで不調をすべてぶちまける患者。そのすべてにゆっくり耳を傾けて、対処して下さるので、これが占いなら項目ごとに金額が加算されるところを、均一料金で何カ所も診てもらえるとは、なんてお得なのでしょう(と、カーテン越しに会話を聞きながら思うわたし)。

施術を終えた日の夕方から患者は発熱し、翌日も寝込んでしまったのですが…先生に電話すると、「鍼灸治療になれていなかったので反応が出ただけなので大丈夫」とのこと。

熱が出る=効果が出ているということ。そう安堵した当人は、手の痛みそのものはまだ解決はしていないのに、希望が見えて明るさを取り戻したのでした。何より、話をじっくり聞いて「つらいですね」と先生に親身になってもらえるだけで、苦痛は随分和らぐのですね。腹痛のときに添えられた手のひらの効能のような。

わたしにとっても、気になっていた帆布製の鞄の販売店が近くにあることが分かり、付き添いがてらに鞄の実物を見に行くことができて、自分にとってもよい「おまけ」体験ができたのでした。こじつけのようだけれども、素敵な偶然だと思えなくもない。

 

とはいいながら、3回の施術を終えた今、別の鍼灸院へ移ることに決めた我々。

それは、南方熊楠似の先生ご自身が「隣の県のここまで通うのは大変でしょうから…地元の医院を一軒知っているのでそちらを紹介します」とすすめてくださったからなんですが。

「僕は実際に行ったことはないんですが…その先生はいい先生なのは確かなので。でも、もし合わなかったらこちらで治療を続けていただいてもいいですし、とにかく近い方へ一度行ってみてください、その方がきっと通いやすいでしょうし」

ということで、先生に後ろ髪を引かれつつも数珠つなぎで三つ目(住まいから30分程度の距離)の医院へ行くことに…

 

それにしても、最初の整体治療院の先生も熊楠先生も、通院の苦労まで気にかけてもらって、ありがたい。

自力で近所の医院を見つけられなくても、なんとなく良さそうだと思った先生に問い合わせをしたり、遠方でも一度は行ってみたり、とにかく行動してみることで、こんな風に当初の目的に近づくことができるものなんですね。遠回りで無駄な抵抗に思えても、まずは直感で惹かれたところへ進む、そんなことを人生の他の場面でもいかせたらなぁと思う、今日この頃なのであります。

 

つづきはまたそのうち。

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