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hanihostamp penguinblog

のほほん、ペンギンライフ。

象ループにはまる。

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歯が痛く、気分が冴えないこの数日。せめて楽しいことを考えよう。歯科医院の予約は月末。そして場所は400キロくらい離れている。けれど紛らわせようと書いたので、だらだら。今のわたしの歯の痛みのようにつかみ所がないかもしれません。

 

時系列があやしいけれど、今年わたしが見聞きした、象にまつわるあれこれ。

 

①出先でバスを乗り間違えて(というか電車の下車駅そのものを、新静岡と東静岡を勘違い)、「日本平動物園」へたまたま行ったときに見た象。

間違って乗ったバスの終点ということで降りたものの、せっかくなので動物園をひとりで見物してみたところ、大きな象二頭が激しく体をうねらせ、柔道の受け身のような姿勢で、プールで水浴びをしていました。こんなに激しい象を見たのは初めてだ…と、しばらくその姿が忘れられず。

(あとで分かったのですが、この象たちの二頭同時の水浴びは日本で唯一の光景らしいです。動物園のホームページの飼育日誌が楽しい。)

 

②京都の、三十三間堂近くにある養源院へ行って見た、俵屋宗逹作「白象図杉戸絵」の象。

京都で数カ所ある「血天井」のあるお寺のひとつ、養源院へ初めて訪れて驚いたのは、各見物ポイントで一定の人数の参拝客を集めて、作務衣姿の方がラジカセのボタンを押し、音声説明を聞くシステムだったこと。想像していた厳粛な空気というより、修学旅行生に混じってぞろぞろ移動して座って音声を聞く、ほのぼのした時間でした。とはいえ白象図(左右に構図の違う二頭あり)はなんといっても大きく迫力満載。仏教伝来とともに仏画などで伝わった、普賢菩薩を乗せた白象を描いたものとあって、当然ながら日本平動物園で見た象とは別物でした。

f:id:shijimi25:20141111141144p:plain 国立国会図書館

 

 

 ③久米宏さんのラジオ番組を聴いていて、ゲスト出演されていた大島幹雄さんの「ボリショイサーカスの日本公演の時に、熊5頭の乗ったトラックで旅をした」話に興味を持って、ラジオで紹介されていた著書『サーカスは私の〈大学〉だった』を購入。

各地の会場へ移動しながら、熊の餌を調達する必要があり、中でもパン(三斤分で一本の食パンを三日分で25本買ったとのこと)の入手が困難だったという話などもありつつ、別の章では象五頭がナホトカから横浜港へ船でやって来た際、そこからサーカス会場となる後楽園(球場)まで運ぶのを手伝ったエピソードも。5トン近い象を五頭乗せた輸送用トラックが、通行許可証を取得して、タイヤ等の不具合を乗り越えて会場へ着くまでの苦労。象小屋に五頭を移動させようとするも、旅疲れからか不機嫌にパオーパオーと一時間くらいほえて動こうとせずにいた象たちが「ようやく前の象の尻尾を鼻で捕まえながら、五頭縦隊となってテント会場の方へゆっくり歩き出した」との様子に、くすり。サーカスの裏話、面白いです。

 

④サーカスの象の運搬エピソードを読んで、思い出したのが、何かの小説で読んだ、江戸の町へ将軍吉宗に献上されるためにやってきた象の話。その小説自体は結局思い出せずじまいだったので、図書館で、『象の旅 長崎から江戸へ』を借りることに。

映画評論家の石坂昌三さんが、専門とは畑違いのテーマでノンフィクションを書こうとしたのは、『馴象茶屋町通行図』と題する絵を目にしたのがきっかけだったそうです。「この象は、どこから来てどこへ行ったのだろう」と。

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国立国会図書館

 

吉宗は、大奥の女性の多くを実家へ帰したり、自身は絹の着物は着ず木綿の着物をまとうなど贅沢を嫌う一方「外国の新知識に貪欲」だったそうで、象を見たいと思ったのも海外の書物に載っていた「地上最大の動物」に興味を持ったからだとか。

唐船で長崎へ着き、そこから江戸までを三ヶ月近くかけて、象も象使いも役人も歩いて旅した(川を渡ったり峠越えに各地で大騒動。また通過、滞在する宿場側の接待の苦労話も)様子が、各地に残された史料をもとに綴られており、象一行の宿泊地で用意した餌なども細かく記録が残っていて、象が「あんなし饅頭」や「黒砂糖」を好んでいたなど、微笑ましい内容になっています。

ところが…長旅の果てに、ようやく謁見した吉宗の反応は意外なもので…

江戸到着以降の記録からは、旅の道中ののどかさが失われ、音楽でいえば長調から短調へ急激に変わってゆくのです。そもそも、吉宗も他の人々も仏画で見ていた「白象」をこの目で見ることを期待していたこと、当初牡雌二頭で来るはずが雌が旅のはじめに死亡したことなどが、悲しい運命の原因となったようで…

 

⑤象の旅の本を読んで、ふと思い出したのが小田原城内の動物園にいた、象のウメ子のこと。

10年ほど前、旅行の途中で立ち寄った小田原城の象の姿。「もわん」とした糞の匂いと、象の居場所が狭いなぁと驚いた記憶があります。ウメ子は平成21年9月まで、60年も生きていたそうで、小田原市のHPには「お別れ会」の様子が載っていました。

小田原市 | ゾウのウメ子について

お別れの歌として「千の風になって」の合唱があったり、「市民功労賞特別賞」が贈呈されたり、先述の『象の旅』で、京都の御所に象が参内した際、天皇に拝謁するには爵位が必要だという定めに従うため、象に「広南従4位白象」という爵位(赤穂事件の吉良上野介が従4位だったとか)を授けた出来事と少し重なります。

わたしは一度目にしただけで、ウメ子の晩年も、やはり「享保の象」と同様の寂しさ、物悲しさをまとっていたのではないかと、そのお別れ会の華やかな記録とは違う色合いで想像してしまったのですが、YouTubeに晩年の映像がいくつもあると知り、そこでは機嫌良く過ごしている姿が映っていたので、ああ、長閑に暮らせていたのかな、と少しホッとしました。

 

⑥その、小田原動物園とウメ子が登場する漫画が川原泉さんの『フロイト1/2』

 近々読んでみたいと思っています。

そして、サーカスの本を一冊読んでから、連鎖的に大島幹雄さんのサーカス関連本を読むようになって、大島さんのネット書店から購入するやり取りの際に、メールで『象の旅』の本の話をお伝えしたところ、お返事で『脱走山脈』という象と旅する映画について教えて下さいました。

第二次世界大戦末期、ドイツ軍の捕虜となっていた英国軍人男性が、 空襲で焼けた動物園で生き残った象をオーストリアへ避難させるよう命じられ…その後、象の命を狙われたことから彼は象とともに、アルプスを超えてスイスへ逃げようとするが…というストーリーのようです。どうやって象とともに撮影したのだろう…まずそこから気になります。中古品で5,000円くらいするので、どこかのツタヤに置いていないか期待中。

 

と、こんな調子で象にまつわるものに、どんどん引きつけられている今日この頃。

あとは、昔観たディズニー映画、『ダンボ』も見返したいところです。(100円ショップのキャンドゥで今年、『ピノキオ』DVDを買って鑑賞できたので、まだ売っているなら100円で買えそうです)

 象ループ、サーカスループにはまっているところで、両方の好奇心を満たすためには、やはりサーカスを見に行くべきでしょうか。タレントさんを起用した派手な宣伝で開催されるシルクドソレイユの、ゴージャスなイメージと規模に少し腰が引けていたので、今回ご縁があってボリショイサーカスの話を本で読んだ以上は、来年あたり行ってみようかなぁ。熊はいるとして…象も出るかな。玉乗り見られるかな。

WELCOME TO BOLSHOI CIRCUS

 

⑦数日前、取引先の方から商品サンプルをいただき、以前サーカスモチーフのマスキングテープをデザインしたのを思い出しました。

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15㎜幅のマステなのでかなり小さな象や熊たちですが…これを作成したのは、日本平動物園よりも、サーカスの本を読むよりもずっと前のことだったので、ああ、「象ループ」「サーカスループ」はここから…と不思議な気分です。ちなみに、こちらのマステはただいまセリアさんなどで発売中です。

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(追記)

⑧随分前に買ったか人からもらったことがある「象さんペーパー」。近頃ZUTTOというネットショップで買い物をして、その関係でネット画面に広告がやたら出るようになって、そこに最新の「象さんペーパー」の画像を発見。しばらく見ない間に、象さんペーパーはとってもおしゃれになりました。これは象の排泄物を主原料にしており、スリランカの象を絶滅から守るメッセージが込められているそうですが、開発当初は、ワシントン条約で「象の派生物は全て輸入禁止」だったため輸入が厳しかったとのこと。


そういえば、江戸までの道中でも、農家の方々が喜んで象の糞を抱えて持ち帰って道はきれいだったそうです。

 

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