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のほほん、ペンギンライフ。

失踪する小説、漫画。その3

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連日の、イスラム国やエボラ出血熱のニュース。

福島第一原発の汚染水処理の件の、漏れた水量やセシウムの数値。現状の報告。

日頃は、仕事や掃除、洗濯、食材や日用雑貨の買い出し、月末の支払いなどに追われていて、ニュースにはある一定の距離を持って見ているものの…

この国の大臣の、うちわがどうの、ワインがどうの、SMバーがどうの、って騒いでいる場合じゃないことだけは、ひしひしと分かる。

 

前回、前々回と、「大人の失踪(蒸発)」を扱った小説や漫画の中で、印象に残っている作品を思い出して挙げました。amazonアフィリエイトなどはやっていないので、リンクも雑に貼って説明文も雑に書いていますが、今回がとりあえず一区切りです。

 

失踪する小説 (番外) 『極北』 マーセル・セロー/村上春樹 訳(される側目線)

これは、誰かの失踪の話ではなく、自分以外の人間が町から、そして世界のほとんどの土地から消えてしまった話。

近未来の北の果ての土地に暮らす「私」。今現在、想像しうる悪い予感、例えば温暖化、文明の行き着く先の荒廃、原発事故、飢饉、疫病、戦争、自然災害などが終末に向かわせたとおぼしき世界の、人類最後の局面が、一人称で淡々と描かれています。

東日本大震災の前に書かれた作品ではあるものの、刊行は2012年。訳者あとがきで、村上氏が震災と本作の奇縁について触れておられるのも印象的です。

描かれるのは…家族を失い故郷を失い絶望に陥ったときに、人はどうやって生きるのか、何がひとを生かすのか。細部を丁寧に描いているためか、『風の谷のナウシカ』を彷彿とさせるような…どこか可憐で懐かしい、未来の絶望的世界がひろがっています。

この本は手放さず、何かあった時の支えにしたいものですが…

いざという時が来なくても、あるいはこの本は、「おひとり様」のためのガイドブック、または心の友にもなりそうです。

Amazon.co.jp: 極北: マーセル・セロー, 村上 春樹: 本

 

失踪する小説 (番外) 『夜と霧 新版』 ヴィクトール E フランクル    (する側 される側目線)

これは、失踪する「小説」ではなく、ナチス強制収容所へ連行された心理学者(精神分析学者)の体験記ですが…

冒頭に書いたような不安なニュースを見聞きするにつけ、ここにあった言葉を頼りにしたくなるのです。とはいえ…一度、図書館で借りて読んだだけ。10代の頃、読書好きの友人からもらった、北杜夫さんの『夜と霧の隅で』を繰り返し読むものの、こちらの『夜と霧』には怖くて近づけないままでした。

ちなみに、失踪、という見方をすると、著者の家族にとっては、彼が「失踪者」であり、彼自身にとっては妻や子らが「連行というかたち」で失踪してしまったことになります。

手元に本がないので、読んだ時にメモした言葉を。

だれも その人から苦しみを取り除くことはできない。だれも その人の身代わりになって苦しみをとことん苦しむことはできない。

この運命を引き当てたその人自身が この苦しみを引き受けることに、ふたつとない なにかを なしとげる たった一度の可能性はある

走り書きなので、実際に平仮名だったのか、自分が書く時に平仮名にしたのかは不明ですが、この他にも心に残った言葉を抜き書きしていました。絶望の淵にあるとき、記憶やユーモアは救いになる、ということも印象に残っています。メモしていないのでうろ覚えでごめんなさい。

ヴィクトール・フランクル『夜と霧』 | トピックス : みすず書房

 

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柴田よしきさんの小説『観覧車』をあげた際、検索して見つけた柴田さんのブログをブックマークしたのですが(勝手にリンクを貼ってよいか分からないのでリンクはやめておきます)、そこに映っていた取材旅行の記録らしき風景写真が、まさにわたしが「失踪するならこんな町」の候補にしたくなるようなところばかりでした。柴田さんの小説にその町が登場するのが今から楽しみです。

自分でこっそり想定しているルートは一応、秘密にしておかないと公表したら意味がないので(笑)、仮想のプランを練ってみます。

失踪するならこんな町 想像① 勝山

柴田よしきさんのブログの旅写真で惹かれた町。失踪の途中で、こんな道をぶらぶらしたいものです。寅さんも訪れたらしい。

失踪するならこんな町 想像② 星のふるさと

「夢、叶えます」という企画で、テレビカメラに向かって希望を仰る一般人の中から数人を選んで実現する番組がありますが、わたしの場合、強いていえば…死ぬまでに「降るような星を見る」ことくらいかと。今までまともに、流れ星ひとつ見たことないので。

「失踪」とくればひとりのはずなので、無人ロッジなどのある観測所とか、星の名所の山頂にテントで…というのは怖いかと。できれば温泉やらがあって、土産物店とかあって(笑)寂しくない環境がいいなぁ。で、検索して見つけました。

一般財団法人 星のふるさと|星の文化館

「星と泊まれる天文台」とのことで、お風呂に入ったり、お食事したり、宿泊するのでのんびり天体観測ができるようです。ただ…プランを選ぼうとすると「ファミリーの方へ」「カップルの方へ」「シルバー世代の方へ」などとあるだけで、お一人様はNGらしい。むしろ、ここは逃避行の時に訪れるべきでしょうか。しかし、「ゆっくりラブラブデート♪」という紹介文を見ると、逃避行じゃなく健全なカップルで利用するのも結構恥ずかしい感じかもしれません。

失踪するならこんな町 想像③ 渋温泉 または 貝掛温泉

とにかく、仕事柄、眼が疲れるので、失踪するなら、眼によい温泉に入れるところを目指したいものです。



以上、失踪する小説、漫画についてのあれこれでした。

今頃言うのもナンですが、「失踪(蒸発)する漫画」の思い出し方が雑すぎました。吾妻ひでおさんの『失踪日記』を挙げるのを忘れたり、つげ義春作品をひとつも挙げていないなんて…「失踪」にこだわりすぎて、「蒸発」のテイストで思い出せば違ったのかも。

読書数は少なく雑食で、姉にすすめることはあっても、他人様に紹介するような身ではないのですが、幸いこのブログは訪問者がとても少ないようなので、この調子でこっそり、今度は「終末もの」の小説、漫画なども思い出して挙げてみます。くどいですがアフィリエイトはやってませんので、宣伝じゃないです。ふふ。 

 

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